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  • 執筆者の写真Kaz Uematsu

トカラ列島口之島でケミカルタンカー「キョヨン・パイオニア」が座礁


2024年4月16日午後4時頃、韓国船籍のケミカルタンカー「キョヨン・パイオニア」が鹿児島県十島村の口之島北西約6キロで座礁しました。ケミカルタンカーの座礁事故は、重大な環境リスクをもたらす可能性があります。タンカーは2,886トンのシクロヘキサンを積載していましたが、幸いなことにこの化学物質の海への流出は確認されていません。しかし、重油の流出が航空写真により確認され、これが海洋生態系、特に重要なウミガメの生息地に影響を与える可能性があります。

口之島周辺はウミガメの重要な産卵地であり、油の汚染はウミガメの産卵行動に直接影響を及ぼす可能性があるため、状況は特に深刻です。産卵期に重なる事故は、ウミガメの個体数に悪影響を及ぼし、将来的な生存にも影響する恐れがあります。

現在、事故に対応するために化学物質のさらなる流出を防ぎ、既に流出してしまった油の拡散を防止することが急務です。環境被害の防除は船主に義務付けられています。韓国はOPRC条約加盟国ですので、船主はIMOから環境回復費用を負担することが求められます。

関係官庁および地方自治体には、事故発生時に速やかな対応と勧告を行う責任があります。これには、適切な緊急対応策の策定や実施、公衆への情報提供が含まれます。また、自然保護団体は、これらの官公庁と協力して、事故による被害の状況を把握し、客観的な記録を収集する重要な役割を担います。この記録は、後に船主から被害回復費用を請求するための証拠として使用されます。

事故対応においては、シームレスなコミュニケーションと協力が不可欠であり、各機関が一丸となって迅速かつ効果的に行動することが求められます。これにより、自然環境への影響を最小限に抑え、地域コミュニティの安全と健康を守ることが可能となります。これには、環境保全団体や政府機関が連携して、迅速かつ効果的な対策を講じる必要があります。

この事故から学ぶべきは、化学物質や石油製品を運搬する際の安全対策の重要性と、事故が発生した場合の迅速な対応のプロトコルの確立です。海洋生態系を守るためには、これらの対策が不可欠であり、今回の事故はその重要性を改めて浮き彫りにしています。


Photo by 南日本新聞

情報源:

[1] ケミカルタンカー座礁事故 化学物質の流出 確認されず - NHKニュース https://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/20240417/5050026594.html

[2] 口之島沖 タンカー座礁事故 油流出も沿岸への漂着確認されず https://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/20240417/5050026599.html

[3] 韓国籍ケミカルタンカーが口之島沖で座礁 積載のシクロヘキサン2886トンの流出確認されず、乗組員14人は全員救助 鹿児島・十島 | 鹿児島のニュース | 南日本新聞

[4] 韓国籍ケミカルタンカーが口之島沖で座礁 積載の ... - Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/51c14521fde10e39e6af1057c4cb9333a2866a12

[5] 東シナ海タンカー事故によるオイル漂着調査 - WWFジャパン https://www.wwf.or.jp/activities/activity/3627.html [6] 口之島沖で韓国船籍タンカー座礁 全乗員救助 燃料の油流出か https://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/20240416/5050026593.html

[6] 口之島沖 タンカー座礁事故 油流出も沿岸への漂着確認されず https://www3.nhk.or.jp/lnews/k/kagoshima/20240417/5050026599.html


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