福岡〜壱岐〜対馬 航路洋上調査
- Kaz Uematsu

- 1月31日
- 読了時間: 2分
更新日:9 分前
活動報告】福岡〜壱岐〜対馬 航路洋上調査:カツオドリと希少種カンムリウミスズメを視認
調査日:2026年1月26日〜1月31日
調査者:NRDAアジア 植松一良
調査船:ウミスズメ号
NRDAアジアは、アジアの豊かな海洋環境を次世代に引き継ぐため、日々海洋生態系のモニタリングを行っています。今回は、福岡市小戸港を出航し、壱岐を経由して対馬へと向かう航路において、海鳥の生息状況調査を実施しました。

1. 調査航程と海象待ち
1月26日:日の出と共に福岡市小戸港を出航。冬の玄界灘を北西へ進み、夕暮れ前に壱岐の芦辺港へ入港しました。
1月27日〜29日: 壱岐にて「日和(ひより)待ち」。冬の玄界灘において、風や波の状況を見極める判断は、安全かつ正確なデータ収集のために極めて重要です。
1月31日:風が落ちたタイミングで、日の出時刻に芦辺港を出港。夕刻に対馬の樽が浜へ接岸しました。
2. 海鳥の視認記録
今回の航路では、以下の貴重な観察記録が得られました。

■カツオドリの確認
1月26日の壱岐・芦辺港沖にて3羽、さらに1月31日の芦辺港沖5マイル地点では、計3回の遭遇で合計6羽の飛翔を視認しました。
カツオドリは主に熱帯や亜熱帯の海洋に生息し、日本では南西諸島や小笠原諸島などで繁殖する鳥です。近年、瀬戸内海などでも観察記録がありますが、冬のこの海域での複数個体の確認は、彼らの移動パターンや餌資源の状況を知る上で重要なデータとなります。
■希少種カンムリウミスズメの視認と鳴き声
1月31日、芦辺港沖において、環境省レッドリストで絶滅危惧II類(VU)に指定されているカンムリウミスズメ1羽を視認しました。
本種は日本近海の暖流域で繁殖する世界的に希少な海鳥であり、国の天然記念物にも指定されています。今回は姿を目視できただけでなく、その特徴的な鳴き声も確することができました。NRDAアジアでは、長崎県内における新たな繁殖地の可能性についても調査を続けており、今回の壱岐周辺での確認は非常に価値のある情報です。
3. 調査の意義
NRDAアジア(Natural Resource Damage Assessment of Asia)の活動の柱の一つは、平常時からの海洋環境および海鳥の生息状況の把握です。
万が一、油汚染などの環境災害が発生した際、その被害を科学的に評価(NRDA)するためには、こうした「どこに、どのような鳥が、どのくらい生息しているか」という平時の蓄積データが不可欠です。
今後も「ウミスズメ号」による洋上調査を継続し、科学的知見に基づいた生物多様性保全に貢献してまいります。

















コメント