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  • 執筆者の写真Kaz Uematsu

キョヨン・パオオニア・オイルスピル-03

韓国船籍のキョヨン・パイオニア号、口之島沖での座礁事故とその影響


2024年4月16日、鹿児島県口之島沖で韓国船籍の化学タンカー「キョヨン・パイオニア号」が座礁しました。この事故は、北西5キロに位置する水深5メートルの暗礁に船体が乗り上げた結果発生し、船はシクロヘキサンという水棲甲殻類への急性強毒性が非常に高い化学物質を積載していました。乗組員14名は全員無事救助されましたが、地域の海洋環境への潜在的なリスクが高まっています。



【環境への懸念】

シクロヘキサンは特に甲殻類に対して高い毒性を持つため、春のこの時期に頻繁に通過する低気圧と合わせて、海洋生物への影響が懸念されます。座礁地周辺の海域の環境脆弱性指数(ESI)に基づく、特に影響を受けやすい甲殻類の種とウミガメ類、鯨類に関する情報が必要です。


【国際法と対応措置】

この事故に関して、船主は国際法で義務付けられている防除活動をまだ行なっていません。防除の成功は事故発生から48時間以内に行われることが理想とされていますが、1週間経過しても対応がなされない場合、OPRC条約に基づき行政が強制的に防除措置を講じることが可能です。海上保安庁長官は、独立行政法人海上災害防止センターに対し排出油防除措置を指示でき、その費用は船主に請求されることになります。


【船舶の安全と運航実務の見直し】

キョヨン・パイオニア号を所有するキョヨン・シッピング株式会社は、わずか1ヶ月前にも山口県下関市沖で化学タンカー「キョヨン・サン号」が転覆する事故を起こしており、これら連続する事故により同社の運航実務や安全対策について再評価が求められています。

今回の事故は、地元コミュニティに警戒を促し、さらには海上輸送の安全基準の見直しを促す機会となるでしょう。持続可能な海洋環境の保護と航海の安全性向上を目指す上で、関連各機関が協力し合い、適切な対応策を迅速に講じることが重要です。


情報源:

[2] 韓国船籍のケミカルタンカーが鹿児島県口之島沖で座礁 - Crane1000 https://crane1000.com/south-korean-flagged-chemical-tanker-runs-aground-off-kuchinoshima-kagoshima-prefecture/

[4] KEOYOUNG PIONEER, Chemical/Oil Products Tanker - IMO 9355020 https://www.vesselfinder.com/vessels/details/9355020

[5] KEOYOUNG PIONEER | Vessels Lover タンカー - Amebaブログ https://ameblo.jp/italymaru4/entry-12841525962.html

[7]国土交通省の海洋汚染に対する取り組み](https://www.mlit.go.jp/common/000043153.pdf)

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